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R+house | 32house -緩衝帯を持つ個室群住居-

敷地南側の交差点は日当たりの良い特別な場所である。本来であればその肯定的環境に開き生活したいところではあるが特別な場所には沢山の人が集まって来る。まち全体で考えれば至極当然のことであり、その様な場所を内包するまちには活気がみなぎっている。しかしもう一方で、住む為に必要なプライバシーを獲得することは難儀である。

住宅における「公・共・私」の調停は、我々設計者の永遠のテーマであるが、今回の計画に於ける「公」は少し賑やかであると同時に住むための環境を得るために重要なスペースになっているように思えた。他方で、建築主からは生活時間帯が異なる家族の為に、パーソナルなスペースが要求されていた。

そこで、「公」 (肯定的環境である外界)から距離をとった個室群を「私」とし、その中間に「共」を設け、そこには外界の良好な環境を緩やかに変化させながら内部に取り込むための緩衝帯(バッファーゾーン)を設けた。

具体的には玄関からつながる土間であるが、それとリビングを緩やかに繋げることにより、それぞれの機能を相互に拡張させるスペースとしている。また、外部の良好な環境を取り入れる役割も担いそれをその上部に設けた吹抜けにより垂直展開させるといった空間構成とした。

また、建築主の要望である個室群はそこに接続させ内部での繋がりを計りながら、外部との関わりに応じて様々な繋がりを外界と持たせることにした。

ここでいう「共」はこの住宅の中心であり、内部の環境を良好なものにしながらも、副次的に外部に対しても影響を与えるものである。

プライバシーと環境の濃度が波のしぶきのように絡まりながら、そこを都合良く行ったり来たりする様は、海岸に打ち寄せる波を想起させる。本計画では上述した状態を取り込みながら豊かに生活する為の器を目指し、この建物を「surf house」と名付けることとした。

監修者:H.A.S.Market / 長谷部勉

施工者:ウェルハウジング / 中嶋徳夫

用途:専用住宅

所在地:千葉県習志野市

主要用途:住宅

主体構造:木造

敷地面積:149.93㎡(約45.35坪)

延床面積:96.67㎡ (約29.23坪)

竣工:2020年

外構計画:GAEDENS GARDEN

プロデュース:R+house

Supervision:Tsautomu Hasebe / H.A.S.Market

Constructere:Tokuo Nakajima / Well-housing

Program:Privare house

Location:Narashino-shi,Chiba Prefecture,Japan

Structuran System:Wood construction

Site Area:149.93 sqm

Total Floor Area:96.67 sqm

Construction Preriod:2020

landscape:GAEDENS GARDEN

Produce:R+house